「面倒くさい」けど建築のこと知ってたら災害時にはきっと役に立つ
昨年末はこんなことやっていたのねえ〜と。読み返してみてなつかしくなりました。つい一年前のことなのに、だいぶ前と感じてしまうのは今年一年がとても長く感じたからかもしれません。
今年は一年を通して、ほぼほぼ毎日このブログを更新しました。(たぶん勘違いがなければ、高熱を出した日以外は・・・)毎日書くと決めることで、書くことがなくなるんじゃないかという不安は最初にありました。
けれど、わたしの仕事って物販ではないし、ネットで売れるものでもないし、かと言ってコーチングやセッションなどをしているわけではないので、リフォームとはなんぞや!!をここで伝えていくしかないと。
建築の世界は、正直言って「面倒くさい」ことです。家を造る。家を建てる。家を修理する。ってDIYを趣味にしている人は、わかるかもしれませんけど。1ミリの誤差も許されないし、やり直しがきかない作業なのです。
洋服のリフォームやリメイクは生地を買えばなんどでもやり直しがききます。しかし建築物は木材やコンクリートや鉄などを使うので、やり直すときは、やっぱりプロにまかせないと。とんでもない結果をまねくことになります。
地震でくずれないように。火事で燃えにくいように。建物がくずれたり、燃えても、逃げるまでの時間がかかるように、人の命が救えるように。さまざまな計算をして、建築物は造られています。
なので偽装とか、間違いをごまかすとかは、ぜったいに、ぜったいにあってはならない仕事です。建築を勉強されたことのある人だったらわかるかと思います。建築には建築基準法以外にも消防法やら、いろいろな法律のしばりがあります。
それらをすべてクリアしないと、建物は立たないということになります。今回の新潟の糸魚川の大火災。被害は全半焼や部分焼を含め推定で約150棟を焼き、被害が及んだ地域は約4万平方メートルと発表されています。
「延焼のおそれのある部分」という建築用語がありますが、まさに古い町並みは木造建物が密集している地域。雪よけのための「雁木(がんぎ)」と呼ばれる木製のひさしがつらなっていて、場所によっては、建物と建物の間に人が通る隙間(すきま)もなかったとのこと。
この「延焼のおそれのある部分」がくっついていて、建築基準法にある、最低でも隣家と離さなければいけない基準に達していなかったことも、いくら風が強かったとは言え30時間も消火活動がかかった原因になるのではと。
古いものは古いからこそ価値があるので、なかなか新しいものを受け入れることは勇気のいることです。けれど「建物が崩壊しても人が死なない」という建築基準法があります。せめて日頃からしっかりした避難訓練や消火方法をしていれば・・・。悔やまれます。
ニュースでしか見ていませんが、建物を造る側の人間として「建築のことをもっと知ってほしい」とつくづく思います。だからこそ、これからもこうやって地道にコツコツと家や家造りやリフォームについて、わたしなりに伝えていければいいなあと思っています。
師走の寒さ厳しいなかで、焼け出された方々の今後の生活が一日でも早く、おだやかな毎日の生活に戻ることを祈ります。
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